ナギサオート

ガッチリサポート

2000.08.26作成
2000.12.31更新
街乗りインプレッション追加
ジムカーナインプレッション追加
サーキットインプレッション追加

諸元(?) 手順&インプレ
購入価格

25000円
(消費税別)

プロローグ 

 右に曲がらない − これが最初に感じた不具合だった。それは気付かない程度に少しずつ、本当に少しずつ、俺のマシンを蝕んでいた。たとえ難病に冒されていても、昨日の俺と今日の俺が限りなく同じであるように。
 その内にブレーキのタイミングが狂い始め、ドリフト中のカウンターに対するクルマの反応も鈍く感じられるようになってきた。車高もタイヤも常に変わり続けていたから、そういうものだと思っていた。フロントのスプリングを5kg/mmから7.5kg/mmに変更して問題は解消された。 ...かのように見えた。しかしそれはごく一時的なもので、事態は更に悪化して俺の前に立ちはだかった。やがてギャップを乗り越えるたびにバルクヘッド付近から嫌な軋み音を発するようになった。それはタイムにも如実に現れている、と考えるのが妥当だろう。


うんちく編

 ドアのヒンジとストラット近辺を繋ぐ補強用のバーを導入。これはフロントサスへの入力があった際、ストラットタワーがバルクヘッド(キャビン)側と関係なく上に動くのを抑制するもの。他車種用はいくつかのメーカーから「筋金君」等の名称で発売されている。今回使用したものはナギサオートの「ガッチリサポート」(写真1、2、3)というもの。これはその構造に先発の商品との大きな違いがある。写真を見てもらえば分かるのだが、上下のドアヒンジから三角形を構成する形でバーが延びている。わざわざ大阪のショップから取り寄せた理由はここにある。
 元々は入力に対して車両上方(厳密には更に後ろと内側)に動こうとしているストラットタワー。この動きを止めるパーツなのだから、バルクヘッド上端からストラット底部を抑えれば事は済む(この場合はストラットタワー全体が一体となって動くような補強が必要)。だがストラットタワー底部はタイヤハウスとしての開口部だし、なにより補強を入れたくないから使用するパーツである。ここで三角形が活きてくる。(金属に限らず、モノというのは曲げ方向より、圧倒的に圧縮・伸張方向への強度が高いのだ。鉄パイプを何とか素手で曲げることは出来ても、縦に潰すことは不可能であるわけ。これを念頭に置いて説明を続ける。)まず下のバーが上方へのモーメントを、下ドアヒンジを中心とした円弧運動に変える。結果的に斜め上後ろに動こうとするモーメントを上のバーが受け止める。この入力は上のドアヒンジを後ろへ押すことになるが、上ドアヒンジに繋がっていて押せない。このモーメントも全て上向きに修正される。この時、下ドアヒンジに繋がれてストラットタワーだけでは上には動けない。下ドアヒンジごと上に動くことになる。ほら、バルクヘッド側まで上向きの入力が伝わった。つまり目標達成である。


施工編

 フロント回りはバンパーとコアサポート以内を除いて全て外す(写真4)。グリル・ライト・ウインカー・フェンダー。インナーやサイドステップが付いている場合はそれも外す必要がある。素人には壊れているとしか見えない状態になるが、気にせずバラす。また、ドアヒンジのボルトを外すので、そのままではドアが落ちてしまう。サイドシルとの間に何かを挟んで置き、最終的にはジャッキで微調整をして締め込むことになる(写真5)。まずはブラケットの取付から。ブラケットはストラット上部のドア寄り(写真6)に付く。スタッドボルトの付いたプレート(写真7)があるので、これをフェンダー内の穴(写真8)から入れる。ブラケットをフェンダー内から合わせ、ボルトを留める(写真9)。ただし、この時に完全に締め込んではいけない。バーとの接続が間違いなくずれているので微調整が必要になる。なお、これは製品精度が悪いのではなく、クルマの歪み。次にバー本体の取り付け。ドアヒンジのボルトで共締めする(写真10)。4本全てを使うのでドアは一度外れることになる。ここで「U溝とかでドアを外さずに付けられるようにしてくれればいいのに」と思ったアナタ。それじゃ効かないでしょ。余談だがこの製品のボルト穴はほとんどクリアランスがない。普通は8ミリのボルトなら8.4とか8.5ミリの下穴を開けるのが普通。だがこの製品のボルト穴は限りなく8ミリしかない。製作者の意図を感じられて非常に気持ちがよい。さて、上手く収まっただろうか。収まらない?そうでしょう。それでも一度もドアを外していないクルマならまだ良い方だと思って欲しい。バーと車体をこねくり回して何とか付けよう。先に言っておくが、ボルトを工具で無理矢理ねじ込むのは御法度。二度とドアの交換が出来なくなる。ドアの高さ調整は面倒でもジャッキを下ろし、1Gを掛けた状態で。ドアにジャッキを掛けてやや上がり気味で留めると馴染んで普通になる。これはしつこいくらい何度も確認しよう。手を抜いても何も良いことはない。俺は結局4回やり直すハメになった。最後にブラケットとバーの接続。写真はないが、俺のマシンの場合は軽く2〜3ミリ上下に、更に6ミリほど左右にもずれていた。先程のブラケットの遊びを利用して合わせ、ボルトを留める。このボルトの剪断強度と接続部の面圧がこの製品の要なので、しっかり留める(写真11)こと。いい加減に締めると走行中にボルトが折れる。で、完成(写真12)。塗装や錆の具合を見てついでにペイントしておくと将来良いことがある、いや違うな、悪いことが起こるのがやや遠い将来になる、と思いたい(笑)。


街乗り編(2000.08.28追加)

 ある程度想像はしていたが ...。ある意味では危険なパーツ。路面の入力がほとんどロスなくキャビンに入ってくる。ドライビングはもちろん非常に楽になった。だが危うい感じも同時に伝わってくる。恐らくAピラーからロールケージのフロントフープ取り付け部までの鉄板が歪むのだろう、入力によってはボディーがはじけそうな感触が伝わってくるのだ。これは足回りの変更を余儀なくされそうだ。
 さて、実際の動きはどうだったか。まずブレーキングとステアが楽。強烈にレスポンスは良く、フロントタイヤが路面を掴むその感じがダイレクトにステアリングとペダルに伝わってくる。街乗りくらいだと、どう切ってもアンダーなど出ないかも知れない。限界点もかなりのピンポイントで体感できる。とにかくロール方向に荷重が掛かった状態の安心感はかなりのものである。路面にギャップがある場合も、今までは着地する瞬間をかなりの緊張を持って迎えていた。だがこれだとどの程度グリップするか、もしくはしないのかが予め想像が付く。加速中、コーナリング中の舵の効きも良くなった。あとでいくらでも取り返せる安心感があるので軌道修正も恐くない。つまりコーナリング中に更に切り込んでたとえスライドが始まっても、カウンターを当てれば戻ることが分かっている。そういう感触である。
 乗り心地は悪い。これはパーツが悪いのではなく、挙動を作るためにチョイスしてあった7.5kg/mmのスプリングのせいと思われる。要は硬すぎるのである。ストラットタワーが逃げなくなったお陰でバネへの入力はそのままキャビンへ入ってくる。荷重も十分に掛かる。つまりもっと柔らかいバネで足りるということだ。この先はクローズドコースで更に検証してみたい。


ジムカーナ編(2000.09.11追加)

 硬い!ボディーが硬くなった分、簡単にフロントが沈むようになるのかと思っていたら大間違い。若干グリップの悪いタイヤを装着していたせいもあるのだろうが、ブレーキングとステアのタイミングがドンピシャで来ないとそのままロックしてドアンダーである。しかもリアまで繋がる入力のお陰で、その動きはまるでカートのようなシビアさである。アクセル、ブレーキ、ステア、どれをとってもごまかしが利かない。しくじったらもう取り返せないが、決まったときはメチャっ速で気持ちいいことこの上ない。次回は本気のタイヤを用意して、再度チャレンジの予定である。更新をお楽しみに。


サーキット編(2000.12.31追加)

 お待たせ、のサーキットインプレッションである。装着して早4ヶ月、もうすっかり効果も落ちているかも知れない。実は9月23日にも本コースを走ってはいたのだが、ドライビングのあまりのひどさにインプレッションどころではなかったのだ。
 今回はあの後投入されたピロロアアームと15インチのTE37も使用してのインプレになる。そのためガッチリサポート単体での効果とは若干違う可能性があることをお断りしておく。
 まず違ってくるのはブレーキング時の挙動安定性である。車はブレーキングした時点で舵角が当たっていれば、当然そちら側に旋回を始める。しかしある程度高速のブレーキングになると舵角とは関係なく、つまりステアリングが直進状態でもフラフラと左右に振られるのが普通だ。この時、厳密には足回りの歪みやたわみ、移動などによって舵角が当たっているのと同じ作用が発生しているわけだ。足回りブッシュの強化・ピロ化などは、こういう不確定要素の排除のために行われるチューニングである。
 現状2号車にはこのガッチリサポートとピロロアアーム、ついでに強化タイロッドが装着されている。これらの相乗効果は大きく、ブレーキングで車体が不用意に振られることがほとんどない。お陰でコーナー進入ではかなりのところまでブレーキを詰めることができるようになった(あくまでも本人の主観であるので本当のところはどの程度のレベルなのか不明だが)。それまでのベストラップは1分15秒015、前回9月23日にはこれを1分14秒023に短縮していた。決して速くはないのだが、腕の問題もあるのでこんなもんである。それが今回12月23日にはなんと2秒アップの1分12秒024をマーク。タイムアップの要因として他に考えられるのは気温が下がったことくらいだが、実際には路面温度が約19度と下がりすぎている(走行直後のタイヤ表面温度は40度に満たない)ため相殺であろう。つまりガッチリサポート、ピロロアアーム、強化タイロッドの威力でタイムアップした、と考えて差し支えないと思われる。

エピローグ
 サーキットに限らず、タイムアップの大きな要因はブレーキングである。今回2秒アップを果たした2号車。そのフロントブレーキパッドは、左右表裏の4枚ともが、綺麗に炭になっていた。さてどうしたものか ...。


Written by Jennifer #02 "EDDY"

 

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